
イーサリアム(Ethereum)は、ビットコイン(BTC)に次ぐ時価総額第2位(2023年現在)の暗号資産(仮想通貨)として知られています。2015年に本格始動して以来、ビットコインとは異なる特徴を数多く備え、その将来性から多くの投資家や企業、開発者が注目してきました。
本記事では、イーサリアム(ETH)の基本的な概要やビットコインとの違い、過去の価格推移、実際の買い方、さらには「イーサリアムはオワコンなのか?」といった疑問や今後の展望についても詳しく解説します。暗号資産投資の初心者の方でも理解できるよう、できるだけわかりやすくまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
イーサリアム(ETH)とは?ビットコインとの違いは?
イーサリアムの誕生と背景
- 創業者
イーサリアムは、当時まだ10代だったヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏などを中心とする開発チームによって構想され、2015年に正式ローンチしました。ビットコインが誕生したのは2009年ですが、イーサリアムはそれより後に誕生し、ビットコインの技術的な枠組みを発展させたプロジェクトとして大きく注目を浴びました。 - 目的
単に「通貨」として機能するだけでなく、ブロックチェーン上でスマートコントラクト(※)を実行できる仕組みを備えている点が、イーサリアム最大の特徴です。スマートコントラクトによって、契約やアプリケーション(DApps:分散型アプリケーション)を自動化し、管理者不在でも安全に運用できる仕組みが実現しました。
※スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で動作するプログラムや契約のことを指します。これにより、特定の条件が満たされたときに自動的に取引やアクションを実行する仕組みを提供します。例えば、人の手を介さずに契約を履行することができます。 |
ビットコインとの大きな違い
比較項目 | イーサリアム(ETH) | ビットコイン(BTC) |
---|---|---|
発行上限 | なし(アップデートにより発行量は抑制) | 2,100万BTC |
価格(2024年12月30日現在) | 542,505 円 | 14,664,743 円 |
主な用途 | スマートコントラクト ・DApps開発基盤 | 価値の保存手段 ・決済通貨 |
コンセンサスアルゴリズム | Proof of Stake(PoS) | Proof of Work(PoW) |
代表的な機能 | DeFi、NFT、分散型アプリ | デジタルゴールド的存在 |
環境負荷 | 大幅に低い(PoSへ移行後) | PoWのため高い計算力(電力消費量が多い) |
歴史・認知度 | 2015年リリース 時価総額第2位(2023年現在) | 2009年誕生 時価総額第1位 |
- 価値の位置づけ
- ビットコイン:デジタルゴールドとも呼ばれ、主に「決済手段」や「価値の保存手段」として認知度が高い。
- イーサリアム:ブロックチェーンを土台にした「分散型アプリ開発プラットフォーム」の基盤となる存在。
- 通貨の名称
- ビットコイン:通貨単位も「BTC」
- イーサリアム:プラットフォーム名が「Ethereum」、通貨単位が「ETH」
- 発行上限の有無
- ビットコイン:2,100万BTCの発行上限が決まっている
- イーサリアム:厳密な上限は決められていないが、近年のアップデート(The MergeやEIP-1559など)により、ETHの供給が抑制・調整される仕組みが導入された
- マイニング・コンセンサスアルゴリズム
- ビットコイン:Proof of Work(PoW)を採用。多大な計算力(マイニング)が必要。
- イーサリアム:以前はPoWでしたが、2022年に実施された「The Merge(ザ・マージ)」アップデートによってProof of Stake(PoS)に移行。大幅に省エネルギー化が進みました。
これらの観点から、「仮想通貨」としての立ち位置が強いビットコインに対し、イーサリアムは「スマートコントラクトによるプラットフォーム」という要素を色濃く持っている点が大きな特徴です。
2. イーサリアム(ETH)の特徴
イーサリアムは、単なる決済手段を超えた“次世代ブロックチェーンプラットフォーム”と言われます。その主な特徴を挙げてみましょう。
- スマートコントラクトが使える
イーサリアムのブロックチェーン上では、自動的に契約を執行できるプログラム(スマートコントラクト)を組み込むことができます。これにより、管理者や仲介業者を介さなくても、安全に契約や取引を実行できます。 - DApps(分散型アプリ)の開発基盤
スマートコントラクトを活用し、誰でもイーサリアム上でDAppsを構築可能です。代表例として、分散型取引所(DEX)やNFTマーケットプレイスなどが挙げられ、さまざまな分野でイノベーションが進んでいます。 - イーサ(ETH)のガス代
イーサリアム上のトランザクションやコントラクト実行には「ガス代」と呼ばれる手数料が必要です。ETHはこの“ガス(手数料)”を支払うためにも使われるため、イーサリアム上のプロジェクトが活発になるほどETHの需要も高まる仕組みになっています。 - PoS(Proof of Stake)への移行
2022年の「The Merge」でPoSへと完全移行し、環境負荷が大幅に低減されました。また、マイニングの代わりにステーキングが採用されることで、ETH保有者がネットワークの安全性に貢献し、報酬を得る仕組みが整っています。 - NFT市場で活用
イーサリアムはNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)で広く活用されており、NFTの普及において中心的な役割を果たしているブロックチェーンの一つです。多くのNFTは、イーサリアム上のスマートコントラクトを使って発行されています。これにより、デジタルアート、音楽、動画、ゲーム内アイテムなどが唯一無二の資産として証明されます。
3. イーサリアムの価格推移

出典:GMOコイン(2024年12月30日時点)
イーサリアムは、2015年に数十円~数百円の価格帯からスタートしました。その後、暗号資産市場の盛り上がりとともに爆発的な値上がりを見せ、特に2017年から2018年初頭にかけての「仮想通貨バブル」では、1ETHあたり10万円を超える場面も出てきました。
- 2015年~2016年:誕生初期
数十円~数百円程度。ビットコインに比べると認知度が低く、大きな価格変動は限定的でした。 - 2017年~2018年初頭:ICOブームと急騰
イーサリアム上でICO(Initial Coin Offering:トークン発行による資金調達)が盛んに行われたため需要が爆発し、一時は1ETH=10万円を超える高騰。暗号資産市場全体が急伸するタイミングでもありました。 - 2018年~2019年:バブル崩壊と低迷期
2018年初頭のビットコイン暴落に引きずられ、イーサリアムも大幅に下落。価格は数万円を割り込む局面もありました。 - 2020年~2021年:DeFiブーム・NFTブームと再度高騰
DeFi(分散型金融)やNFTが注目を集め、これらの基盤となるイーサリアムの需要が急増。1ETHあたり数十万円をつけるほどに急伸しました。 - 2022年~2023年:相場の調整とPoS移行
世界的な景気後退懸念などにより暗号資産全体が調整局面に。しかし、イーサリアムはPoS移行(The Merge)を成功させ、基礎技術の評価が高まっています。価格面でも、依然として時価総額第2位の地位を保っており、今後の価格推移に注目が集まっています。
イーサリアムの価格は、ビットコインやその他アルトコイン(※)の動向、世界的な金融情勢、ブロックチェーン技術の普及度合いなど、様々な要因によって影響を受けるため、常にボラティリティ(変動幅)が大きい点は理解しておきましょう。
アルトコインとは?
ビットコイン(Bitcoin)以外のすべての暗号資産(仮想通貨)を指します。
ビットコインが最初に登場し、最も広く知られているため、それ以外のコインが「代替のコイン」として分類されています。
4. イーサリアム(ETH)の買い方・投資方法
イーサリアムを購入するためには、まずは暗号資産取引所を選ぶ必要があります。大まかな流れは以下の通りです。
- STEP1暗号資産取引所を選ぶ
- STEP2口座開設をする
- STEP3日本円を入金
- STEP4イーサリアムを購入
イーサリアム(ETH)の買い方は、他の暗号資産を買う場合ともほぼ共通します。
まずは取引所を決めて、そこで口座を開設します。今回はゼロカットシステムがあり安全にトレードできるXMTreadingを例に挙げて解説します。
- 公式サイトへアクセスする
まずは、XMTrading公式サイトへアクセスしましょう。 - 「口座を開設する」ボタンをクリック
トップページを開くと、画面中央または右上付近に大きく「口座を開設する」や「リアル口座開設」などのボタンが表示されているはずです。そちらをクリックして、口座開設のフォーム画面へ進みましょう。 - アカウントを作成する
居住国とメールアドレスの登録とパスワードの設定をします。 - メールに記載されたリンクをクリックする
XMTreadingからメールが送信されるので、リンクをクリックし基本情報の入力へ進みます。 - 基本情報の入力
次に、個人情報や口座の基本設定を入力していきます。(個人情報・取引口座詳細) - 続行して詳細情報を入力(口座の基本設定・投資家情報やパスワード設定)
基本情報の入力画面を送信すると、さらに詳しい情報入力画面へ進みます。ここで入力を誤ると後の本人確認で不備となる恐れがあるため、公的書類と同じ情報を正確に入力しましょう。 - 本人確認書類をアップロード
海外FX業者では「KYC(Know Your Customer)手続き」と呼ばれる本人確認が必須です。XMTradingで実際に入金し、取引を始めるには本人確認書類と住所確認書類を提出し、審査に通過する必要があります。 - 口座開設完了
審査に通過したら、口座開設完了になります。 - 資金を入金する
トレードを開始するためには、口座に資金を入金する必要があります。XMTradingではいくつかの入金方法が用意されています(時期によって異なる場合あり)。 - 購入したい金額または数量を入力する
たとえば「1万円分のビットコインが欲しい」という場合は金額を入力し、逆に「0.005BTCが欲しい」という場合は数量を入力します。 - 注文を確定する
販売所であれば即座に約定(取引成立)することが一般的です。取引所であれば、希望価格と注文数量を指定し、他のユーザーが提示する価格と一致すれば約定します。 - 完了画面で購入内容を確認する
取引が成立したら購入完了です。ビットコインの保有数量を忘れずにチェックしましょう。
更に詳しい口座開設方法はこちらをご覧ください。
5. イーサリアム(ETH)はいくらから始められる?
イーサリアムは高額なイメージがあるかもしれませんが、実は数百円程度の少額からでも購入可能です。これはビットコインと同様であり、多くの取引所では「取引所形式」や「販売所形式」で0.0001ETHのような小数点以下の単位で売買できるようになっているためです。
- 例: 1ETH = 200,000円のとき
0.01ETH(=2,000円相当)から購入するといったイメージ。 - 手数料
取引所によっては、購入額が小さいと相対的に手数料負担が大きくなる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
初心者の方は、まずは少額でトライしながら、ウォレットや送金、税金などの仕組みに慣れることをおすすめします。
6. イーサリアム(ETH)はオワコン?今から買っても平気?
イーサリアムはオワコン?
暗号資産市場全体の下落局面や、手数料(ガス代)の高騰などを背景に、「イーサリアムはオワコンか?」と囁かれることもあります。たしかに、相場下落局面ではネガティブなニュースが目立ちやすいものです。しかし、イーサリアムは大規模アップデート(The Mergeなど)を着実にこなし、将来的にはさらなるスケーラビリティ改善を目的としたアップデート(ShanghaiやShardingなど)も計画されています。
さらにDeFiやNFTといった分散型アプリの主要プラットフォームとして、多くの開発者・企業が利用を続けており、今後も継続的に利用される見通しが高いです。プロジェクト全体としての活動が活発である以上、「オワコン」というのは早計と言えるでしょう。
今から買っても大丈夫?

結論から言うと、イーサリアムは今から買っても遅くないにゃ♪
イーサリアムはすでに市場で大きな存在感を得ており、価格もビットコインに次ぐ水準になっています。「今からでは遅いのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、暗号資産市場はまだ成長過程にあり、イーサリアムの実用性はこれからさらに広がっていく可能性があります。
- 技術アップデートが続く: PoS移行後も、手数料や処理速度を改善するアップデートが控えており、ユーザー数や開発者数が増えれば価格にも影響する可能性があります。
- 企業や金融機関の参入: DeFiサービスやNFT市場は、既存の金融機関や大手企業も注目する領域。イーサリアムが持つ“プラットフォーム”としての優位性は依然として大きいです。
投資である以上リスクは伴いますが、将来的な価値上昇を期待するのであれば、少額からコツコツ積み立てる方法も一つの選択肢と言えるでしょう。
イーサリアムの今後の価格推移は?
価格予想は誰にも断定できませんが、イーサリアムには以下のような要素が価格に影響を与えると考えられます。
- アップデートの進捗
スケーラビリティ改善を目的としたアップグレード(Shardingなど)が実施されれば、ネットワークの利用度が向上し、ETHの需要増につながる可能性があります。 - 市場のトレンド
ビットコインや他のアルトコインの値動き、世界的な金融情勢、規制動向などにより、暗号資産全体が大きく上下する場合があります。 - DeFi・NFT・Web3の拡大
イーサリアムは分散型アプリ開発の主軸であることから、DAppsやNFTプロジェクトが増えるほど需要が高まる構造です。今後のWeb3分野の発展具合にも注目です。
7. イーサリアム(ETH)のおすすめの投資方法は?
目的別おすすめの投資方法
- 初心者なら積立投資・少額投資
- 短期で利益を狙うならレバレッジをかけるorショート(売りから入る)トレード
最後に、これからイーサリアムに投資するおすすめの方法を紹介します。
短期トレードから長期保有、ステーキング、さらにはDeFi運用まで多岐にわたります。投資スタイルやリスク許容度に応じて最適な手法を選ぶのがポイントです。
- 数年後の上昇を狙うなら長期保有(ガチホ)
イーサリアムを数年単位で保有し、価格上昇を待つ方法です。短期的な価格変動に振り回されにくいメリットがあります。今後の技術アップデートや普及を見据えて、「将来有望」と考えている方には相性が良いでしょう。 - コツコツやるならドルコスト平均法(積立投資)
毎月一定額をイーサリアムに投資することで、価格変動リスクを平準化できる方法です。相場のタイミングを見定めるのが難しい初心者にもおすすめです。 - 短期間で利益を狙うならレバレッジをかけた売買(トレード)
たとえば10倍のレバレッジを使えば、1万円の証拠金で10万円分の取引ができるため、小幅な値動きでも大きな利益を狙えます。ただし、暗号資産はボラティリティが高いため、損切りラインの設定やリスク管理が必須です。 - ショート(売りから入る)トレード
通常、「安く買って、高く売る」が基本のトレードですが、「高く売って、安く買い戻す」事で利益を得る事も可能です。価格が高騰している時は、売りかから入って利益を出す方法が効率が良い場合もあります。 - DeFi(分散型金融)やNFTへの応用
イーサリアムを預け入れてレンディングしたり、DEX(分散型取引所)で流動性提供を行い、利息や報酬を得る手段もあります。NFTを発行・取引する際にもイーサリアムが基盤となるケースが多いので、投資対象としてだけでなく、アプリケーション利用の手段としても活用できる点が特徴です。
まとめ
イーサリアム(ETH)は、ビットコインのような「デジタル通貨」の枠を超えて、「ブロックチェーンを使ったアプリ開発プラットフォーム」という革新的な役割を持ち、今も進化を続けています。2015年にローンチして以来、価格は大きく上下を繰り返してきたものの、その技術的ポテンシャルへの期待から時価総額は常に上位を維持してきました。
- ビットコインとの違い:プラットフォーム構築を目的とし、スマートコントラクトを実装。
- イーサリアムの特徴:PoS移行、ガス代による需要、DeFiやNFTなど多様なユースケース。
- 価格推移:ICOブームやDeFi/NFTブームに支えられ、数十円→数十万円へと飛躍。
- 買い方:国内取引所で口座開設 → 日本円を入金 → 販売所/取引所形式でETHを購入。
- 投資方法:長期保有、積立投資、短期トレード、ステーキング、DeFi運用など多彩。
- 今後の展望:スマートコントラクトの基盤として、Web3やDeFi/NFTの拡大とともにさらに普及が進む可能性がある。
「イーサリアムはオワコンでは?」という声も聞かれますが、アップデートの継続や新たなユースケースの拡充など、まだまだ成長の余地が残されています。価格は常に変動しますが、少額投資や積立投資であればリスク管理がしやすいです。これから暗号資産に挑戦する方は、まずはイーサリアムの仕組みや技術特性を理解し、小さなステップから始めるのが得策でしょう。
暗号資産はハイリスク・ハイリターンの投資対象です。最先端のテクノロジーである一方、規制や市場の動向、世界情勢など外部要因による影響も受けやすいため、余剰資金での運用、情報収集とリスク分散を徹底することをおすすめします。
イーサリアムの将来に期待をかけるかどうかは、あなた自身の投資判断次第です。本記事が、あなたの投資や学習の一助となれば幸いです。
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ぬこにゃん
為替市場の鋭い眼を持つネコにゃん! 自宅の心地よいオフィスから世界経済を見守り、 飼い主の傍らで日々のトレード 生活費を稼いでで飼い主を支えるにゃ!