純利益が〇倍に!FX取引のMT4でトラリピ系EA(自動売買)を検証してみた

純利益が〇倍に!FX取引のMT4でトラリピ系EA(自動売買)を検証してみた

こんにちは、皆さん!ぬこにゃんです。

今日は、私が長年愛用している取引プラットフォーム「MetaTrader 4(MT4)」で、トラリピ系のEA(エキスパートアドバイザー)を使って自動売買の検証を行った結果をシェアします。

FX市場は24時間動き続けるため、常にチャートを見続けることは難しいですよね。そこで登場するのが、EAを使った自動売買です。

特に、トラリピ(トラップリピート)戦略は、一定の価格帯で細かく注文を出し続けることで利益を積み上げる手法として、多くのトレーダーに愛用されています。

今回は、このトラリピ戦略をEAで実装し、実際にどのような成果が得られるかを詳しく検証しました。

EAの設定から運用開始までのプロセス、そして運用中のパフォーマンスデータや分析結果を通じて、自動売買の魅力と課題についても考察していきます。これからFX自動売買を始めてみたいと考えている方や、トラリピ系の戦略に興味がある方にとって、有益な情報をお届けできればと思います。

それでは、検証結果をご覧ください!

トラリピ系EAとは?

FX取引における自動売買システム、特にトラリピ系EA(エキスパートアドバイザー)について解説します。

EAとは、MetaTrader 4(MT4)などの取引プラットフォームで動作する自動売買プログラムのことです。トラリピ系EAは、トラリピの戦略に基づいて設計されたFXの自動売買システムを指します。

トラリピの基本概念

トラリピとは、マネースクエアが提供するサービスで知られているFX取引の戦略の一つです。

トラリピはグリッドトレードとも呼ばれ、価格が上下する範囲に格子(グリッド)のように注文を配置します。これにより、価格が一定の範囲内で上下するレンジ相場で効果的に利益を上げることができるFXの自動売買となります。

この戦略の利点は、市場がレンジ相場(価格が一定の範囲内で上下する状態)にある場合に、細かく利益を積み重ねることができることです。

トラリピ系EAの特徴

トラリピ系EAの特徴は以下の通りです。

  1. 自動売買: トラリピ系EAは、あらかじめ設定した条件に基づいて自動的に売買を行います。これにより、トレーダーが常に市場を監視する必要がなくなります。
  2. 一定の価格帯での注文: トラリピ系EAは、設定された価格帯に複数の注文を仕掛けます。価格がその範囲内で動く限り、注文が繰り返し実行されます。
  3. レンジ相場に強い: トラリピ戦略は、一定の価格帯で価格が上下に振れるレンジ相場で効果を発揮します。トラリピ系EAは、こうした相場で効率的に利益を上げることができます。
  4. リスク管理: トラリピ系EAには、リスク管理のための設定が組み込まれていることが一般的です。例えば、ストップロス(損切り)やテイクプロフィット(利確)の設定が可能です。

トラリピ系EAのメリットとデメリット

メリット

  • 効率的な取引: トレーダーが手動で行うよりも素早く正確に取引を行い、レンジ内で動いている場合利益を積み上げることができます。
  • 感情に左右されない: 自動売買は、感情に左右されずに計画通りの取引を行います。
  • 24時間稼働: トラリピ系EAは、トレーダーが寝ている間も含めて24時間取引を続けます。

デメリット

  • 急激な相場変動への弱さ: トラリピ系EAはレンジ相場で効果を発揮しますが、急激な価格変動には対応しづらいです。予想外の大きな動きがあると、設定した範囲外で大きな損失を被る可能性があります。
  • 過剰なポジションの増加:トラリピ系EAは一定の価格帯に多くの注文を設定するため、短期間で多くのポジションを持つことになります。これにより、証拠金維持率が低下し、強制ロスカットのリスクが高まります。
  • 設定の難しさ:効果的なトラリピ系EAを運用するには、適切な価格帯や注文の間隔を設定する必要があります。不適切な設定は利益を上げるどころか、強制ロスカットによる損失のリスクがあります。
  • スワップポイントやスプレッドの影響:トラリピ系EAは頻繁に売買をうことや、日を跨いでポジションを保有するためスワップポイントやスプレッドの影響を大きく受けます。これにより、思ったほどの利益が出ない場合があります。

検証の目的

この検証で明らかにしたいこと

トラリピ系EAの検証において、以下の点を明らかにしたいと考えています。

  1. レンジ相場での効果:トラリピ系EAが価格が一定の範囲内で上下するレンジ相場において、どの程度効果的に利益を上げることができるかを確認します。
  2. 設定の最適化:トラリピ系EAの設定(価格帯、注文間隔、ロットサイズなど)がどのようにパフォーマンスに影響するかを明らかにし、最適な設定を見つけます
  3. リスク管理の効果:ストップロスやテイクプロフィットの設定がどのようにリスクとリターンに影響するかを評価し、適切なリスク管理手法を確立します
  4. スワップポイントやスプレッドの影響:頻繁な取引や日を跨いでポジションを持つトラリピ系EAにおいて、スワップポイントやスプレッドが全体のパフォーマンスに与える影響を測定します。

検証における具体的な目標

  • 利益率の向上:トラリピ系EAの設定を最適化することで、全体の利益率を向上させることができるかを検証します。
  • ドローダウン(含み損)の最小化:適切なリスク管理手法を導入することで、ドローダウン(含み損)を最小限に抑えながら、安定した収益を得られるかを検証します。
  • 長期的な安定性:トラリピ系EAが、長期的に安定したパフォーマンスを発揮するかを検証します。

この検証を通じて、トラリピ系EAの有効性を総合的に評価し、実際の運用に向けた最適な設定やリスク管理手法を見つけます

検証に使用した通貨ペア

通貨ペアの選定基準

検証に使用する通貨ペアを選定する際には、以下の基準に基づいて選びました。

  • 長期に渡ってレンジ相場を形成していること:トラリピ系EAは、価格が一定の範囲内で上下するレンジ相場において効果を発揮します。そのため、長期間にわたって安定したレンジ相場を形成している通貨ペアを選定することが重要です。
  • レンジの幅が狭いこと:レンジ相場の幅が狭いほど、頻繁に価格が上下し、注文が成立しやすくなります。これにより、トラリピ系EAが多くの取引を行い、小さな利益を積み重ねることが期待できます。また狭いレンジの方が保有ポジション数が減るためリスクが軽減できるメリットがあります。

選定した通貨ペア

AUDNZD(オーストラリアドル/ニュージーランドドル)

選定した通貨ペアとして、過去10年間にわたってレンジ相場を形成しているAUDNZDを使用しました。以下にその理由を詳しく説明します。

  • レンジ相場の特徴:AUDNZDは、過去10年以上にわたり比較的狭いレンジで価格が推移してきました。これは、オーストラリアとニュージーランドの経済的関係が安定していることに起因しています。
  • 主要通貨ペアであること:主要通貨ペアは安定性があり、スワップフリー口座に対応しているケースがあります。

AUDNZDは、長期にわたり安定したレンジ相場を形成しており、狭いレンジ幅での取引が期待できるため、トラリピ系EAの検証に最適な通貨ペアです。

トラリピ系EAの基本的な戦略とロジック

トラリピ系EAは、価格が一定の範囲内で上下するレンジ相場において、複数のポジションを持つことで利益を狙う自動売買システムです。

しかし、多くのポジションを持つため、レンジの上限、下限では含み損が大きくなります。この含み損を軽減するために、「ハーフ&ハーフ」という手法を取り入れます。

トラリピEAのことが良くわからない場合は以下をご覧ください。

ハーフ&ハーフ戦略

ハーフ&ハーフ戦略は、レンジの上半分と下半分を分け、それぞれで異なる取引を行う手法です。

  • ショートレンジ: レンジの上半分で売り(ショート)ポジションを持ちます。
  • ロングレンジ: レンジの下半分で買い(ロング)ポジションを持ちます。

下の図は、買い注文だけ戦略(上図)とハーフ&ハーフ戦略(下図)の解説となります。

この戦略により、レンジの上限、下限でのポジション数が半分になり含み損を軽減します。

買い注文だけ戦略とハーフ&ハーフ戦略のバックテスト結果

買い注文だけ戦略のバックテスト結果

レンジ内で買いポジションのみを保有した場合の資産(青線)とドローダウン(含み損・緑線)の推移になります。

バックテストの結果、ドローダウン(含み損)が大きくなっていることが確認できます。さらに、損失も発生しています。これは、現在のマイナススワップポイントが反映され、ポジションを長期間保有することで積み重なった損失が利益確定時に清算されているからです。

ハーフ&ハーフ戦略のバックテスト結果

レンジの上半分をショートレンジ、下半分をロングレンジに分けたハーフ&ハーフ戦略の資産推移(青線)とドローダウン(含み損・緑線)の推移です。

バックテストの結果をご覧いただくと、大幅にドローダウン(含み損)が改善されていることがわかります。

一部損失が発生していますが、全体的には右肩上がりの利益が出ています。

買い注文だけ戦略とハーフ&ハーフ戦略を表で比較

以下は買い注文だけ戦略とハーフ&ハーフ戦略の比較表となっていますが、買い注文だけ戦略では資金が3倍も必要なうえ、利益も出ていないので比較するまでもありません。

買い注文だけ戦略ハーフ&ハーフ戦略
純利益-42,723円19,322,894円
絶対ドローダウン7,430,178円308,755円
最大ドローダウン11,310,693円 (78.69%)2,940,934円 (41.25%)
相対ドローダウン84.99% (8,888,068円)41.49% (2,304,964円)
総取引数24,452回23,270回
資金900万円300万円

バックテストの結果、ポジション保有期間によるスワップポイントのマイナス影響が大きいことが明らかになりました。

ハーフ&ハーフ戦略では、ポジションの保有期間が短くなるため、マイナススワップポイントの影響を抑えることができています。

トラリピ系EAのロジック

トラリピ系EAは、ショート、ロング取引レンジ内で、それぞれ売りポジションと買いポジションを持ち、約定価格から決済幅分の利益が確定した時点でポジションを決済します。

トラリピ系EAの運用には、以下のパラメータが必要です。

  • ロット数: 各取引におけるポジションの数量。
  • 注文幅: ポジションを追加する間隔。
  • 決済幅: 利益を確定するための間隔。
  • 売りレンジ上限: ショート取引レンジの上限。
  • 売りレンジ下限: ショート取引レンジの下限。
  • 買いレンジ上限: ロング取引レンジの上限。
  • 買いレンジ下限: ロング取引レンジの下限。

まとめ

トラリピ系EAは、レンジ内で多数のポジションを保有し、小さな利益を積み重ねることを目指します。しかし、多数のポジションを持つため、レンジの上限、下限に近づいた場合は含み損が大きくなるリスクがあります。

このリスクを軽減するために、ハーフ&ハーフ戦略を採用しました。この戦略では、レンジの上半分をショートレンジ(売りポジション)、下半分をロングレンジ(買いポジション)に分けて取引を行います。これにより、含み損を抑え、必要な資金を抑えることができます。

これらの戦略と設定を組み合わせることで、トラリピ系EAはレンジ相場において安定した利益を追求することが可能です。

次回以降の記事では、取引レンジの決定方法とドローダウン(含み損)を抑えるための検証を行います。そちらもぜひご覧ください。

私がこの記事を書いたよ!

ぬこにゃん

ぬこにゃん

為替市場の鋭い眼を持つネコにゃん! 自宅の心地よいオフィスから世界経済を見守り、 飼い主の傍らで日々のトレード 生活費を稼いでで飼い主を支えるにゃ!

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