- 2024年9月18日
トラリピのダイヤモンド戦略、ぬこにゃん式トラリピEAを大幅改造!
こんにちは、ぬこにゃんです。 前回の記事では、ぬこにゃん式トラリピEA(にゃグリッドnyaGrid)を使いトラリ……
こんにちは、皆さん!ぬこにゃんです。
今日は、私が長年愛用している取引プラットフォーム「MetaTrader 4(MT4)」で、トラリピ系のEA(エキスパートアドバイザー)を使って自動売買の検証を行った結果をシェアします。
FX市場は24時間動き続けるため、常にチャートを見続けることは難しいですよね。そこで登場するのが、EAを使った自動売買です。
特に、トラリピ(トラップリピート)戦略は、一定の価格帯で細かく注文を出し続けることで利益を積み上げる手法として、多くのトレーダーに愛用されています。
今回は、このトラリピ戦略をEAで実装し、実際にどのような成果が得られるかを詳しく検証しました。
EAの設定から運用開始までのプロセス、そして運用中のパフォーマンスデータや分析結果を通じて、自動売買の魅力と課題についても考察していきます。これからFX自動売買を始めてみたいと考えている方や、トラリピ系の戦略に興味がある方にとって、有益な情報をお届けできればと思います。
それでは、検証結果をご覧ください!
FX取引における自動売買システム、特にトラリピ系EA(エキスパートアドバイザー)について解説します。
EAとは、MetaTrader 4(MT4)などの取引プラットフォームで動作する自動売買プログラムのことです。トラリピ系EAは、トラリピの戦略に基づいて設計されたFXの自動売買システムを指します。
トラリピとは、マネースクエアが提供するサービスで知られているFX取引の戦略の一つです。
トラリピはグリッドトレードとも呼ばれ、価格が上下する範囲に格子(グリッド)のように注文を配置します。これにより、価格が一定の範囲内で上下するレンジ相場で効果的に利益を上げることができるFXの自動売買となります。
この戦略の利点は、市場がレンジ相場(価格が一定の範囲内で上下する状態)にある場合に、細かく利益を積み重ねることができることです。
トラリピ系EAの特徴は以下の通りです。
トラリピ系EAの検証において、以下の点を明らかにしたいと考えています。
この検証を通じて、トラリピ系EAの有効性を総合的に評価し、実際の運用に向けた最適な設定やリスク管理手法を見つけます。
検証に使用する通貨ペアを選定する際には、以下の基準に基づいて選びました。
AUDNZD(オーストラリアドル/ニュージーランドドル)
選定した通貨ペアとして、過去10年間にわたってレンジ相場を形成しているAUDNZDを使用しました。以下にその理由を詳しく説明します。
AUDNZDは、長期にわたり安定したレンジ相場を形成しており、狭いレンジ幅での取引が期待できるため、トラリピ系EAの検証に最適な通貨ペアです。
トラリピ系EAは、価格が一定の範囲内で上下するレンジ相場において、複数のポジションを持つことで利益を狙う自動売買システムです。
しかし、多くのポジションを持つため、レンジの上限、下限では含み損が大きくなります。この含み損を軽減するために、「ハーフ&ハーフ」という手法を取り入れます。
トラリピEAのことが良くわからない場合は以下をご覧ください。
ハーフ&ハーフ戦略は、レンジの上半分と下半分を分け、それぞれで異なる取引を行う手法です。
下の図は、買い注文だけ戦略(上図)とハーフ&ハーフ戦略(下図)の解説となります。
この戦略により、レンジの上限、下限でのポジション数が半分になり含み損を軽減します。
買い注文だけ戦略のバックテスト結果
レンジ内で買いポジションのみを保有した場合の資産(青線)とドローダウン(含み損・緑線)の推移になります。
バックテストの結果、ドローダウン(含み損)が大きくなっていることが確認できます。さらに、損失も発生しています。これは、現在のマイナススワップポイントが反映され、ポジションを長期間保有することで積み重なった損失が利益確定時に清算されているからです。
ハーフ&ハーフ戦略のバックテスト結果
レンジの上半分をショートレンジ、下半分をロングレンジに分けたハーフ&ハーフ戦略の資産推移(青線)とドローダウン(含み損・緑線)の推移です。
バックテストの結果をご覧いただくと、大幅にドローダウン(含み損)が改善されていることがわかります。
一部損失が発生していますが、全体的には右肩上がりの利益が出ています。
買い注文だけ戦略とハーフ&ハーフ戦略を表で比較
以下は買い注文だけ戦略とハーフ&ハーフ戦略の比較表となっていますが、買い注文だけ戦略では資金が3倍も必要なうえ、利益も出ていないので比較するまでもありません。
買い注文だけ戦略 | ハーフ&ハーフ戦略 | |
純利益 | -42,723円 | 19,322,894円 |
絶対ドローダウン | 7,430,178円 | 308,755円 |
最大ドローダウン | 11,310,693円 (78.69%) | 2,940,934円 (41.25%) |
相対ドローダウン | 84.99% (8,888,068円) | 41.49% (2,304,964円) |
総取引数 | 24,452回 | 23,270回 |
資金 | 900万円 | 300万円 |
バックテストの結果、ポジション保有期間によるスワップポイントのマイナス影響が大きいことが明らかになりました。
ハーフ&ハーフ戦略では、ポジションの保有期間が短くなるため、マイナススワップポイントの影響を抑えることができています。
トラリピ系EAは、ショート、ロング取引レンジ内で、それぞれ売りポジションと買いポジションを持ち、約定価格から決済幅分の利益が確定した時点でポジションを決済します。
トラリピ系EAの運用には、以下のパラメータが必要です。
トラリピ系EAは、レンジ内で多数のポジションを保有し、小さな利益を積み重ねることを目指します。しかし、多数のポジションを持つため、レンジの上限、下限に近づいた場合は含み損が大きくなるリスクがあります。
このリスクを軽減するために、ハーフ&ハーフ戦略を採用しました。この戦略では、レンジの上半分をショートレンジ(売りポジション)、下半分をロングレンジ(買いポジション)に分けて取引を行います。これにより、含み損を抑え、必要な資金を抑えることができます。
これらの戦略と設定を組み合わせることで、トラリピ系EAはレンジ相場において安定した利益を追求することが可能です。
次回以降の記事では、取引レンジの決定方法とドローダウン(含み損)を抑えるための検証を行います。そちらもぜひご覧ください。
為替市場の鋭い眼を持つネコにゃん! 自宅の心地よいオフィスから世界経済を見守り、 飼い主の傍らで日々のトレード 生活費を稼いでで飼い主を支えるにゃ!